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研究開発情報

生活の中で必ず使われている重要な技術

顔料分散とは、顔料の発色を改善し、加工しやすくするために、固まっている顔料粒子を微細にする技術です。塗料・インク・筆記具・紙・プラスチック・家電製品・電子材料・車など、着色が必要なあらゆる産業製品にこの技術が使われています。

 



 


分散安定化技術とその効果

凝集している粒子をばらばらにし再凝集を防ぐ技術です。
これにより、顔料や機能性材料が持つ様々な特徴を、最大限発現させることが可能になります。
 



 


溶解と分散の違い

物質(染料・顔料など)を他の物質中(樹脂・溶媒など)に均一に存在させるという点では同じです。
しかし、その加工技術・方法には大きな違いがあります。

・溶解とは、物質が他の物質と混合して均一な状態となること。
 染料は撹拌・混合することにより、簡単に他の物質中に拡散させる事ができます。

・分散とは、物質を互いに混ざらない他の物質中に一様に存在させること。
 顔料は高度な分散処理をしないと他の物質中に拡散させることができません。

 

暮らしのアメニティを高める製品群

例えば下記のような用途でも分散技術は使われています

・チョコレートのカカオ粉末は、食用の分散助剤、油脂を添加しロールで分散します。
 舌先でざらつきを感じないほど滑らかに微粒子化します。 カカオ粉末の分散が決めてです。

・黒色の原料であるカーボンは、粒子を小さく分散するほど非常に漆黒が高くなり
 ピアノの表面の黒色になります。 

 

顔料分散実施例

<高透明アンスラキノン系赤顔料分散液を樹脂溶液に加える>


 樹脂Aに希釈
赤顔料が凝集し塗膜はヘイズ上昇


樹脂Bに希釈  顕微鏡*500倍 
赤顔料の分散性良好、塗膜透明性良

 

<カーボンの溶剤中での分散例>


凝集


分散安定

 

顔料は、微粒子になればなるほど集まりやすくなる。

同じカラー分散液を使用しても樹脂との相性にて凝集する場合があります。
樹脂、溶媒に顔料粒子を個々に安定化させる技術が重要です。